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セルフうどんのお店、根っこ。
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2009/8/19高松市/根っこ
ぶっかけ中 220円
1967年製中年技術系サラリーマンのトライアスロン挑戦記録です。どこまでがんばれるか! として立ち上げましたが、もう何年も、日々の雑多なメモや趣味(乗り物、模型・・・)、その他ちょっとした記録として不定期に更新しています。
なんとも散々なデビューとなりました。
まずは、いきなり問題のスイムパートから。
2年間、これだけに的を絞って練習してきたのですが、極度の緊張とオープンウォーターに対する不安感、恐怖感とでガッチガチ。
あまりの緊張ぶりを見るに見かねて、周りの人が優しく声をかけてくれます。
初めてですか!そんなに緊張しなくても大丈夫。僕なんて300mしか泳げないんですよ。だからいつもブイにつかまって一休みしながら泳ぐんです。それでもゴールできるんだから大丈夫。がんばりましょう
逃げ出したい度合い120%の中、それでもドン!の合図とともに泳ぎ始めます。
水の透明度は高く、泳ぐ手の先が見えます。ああ前が見えるなぁ、と思いつつ泳ぎ始めました。
しか~し、ここからが最悪でした。
前を見ても下を見ても深緑色をした暗黒が広がる視界。その暗闇に頭から吸い込まれていく人たちの足がひらひらと数本。
・・・。あぁ、いったいどこに進んでいるのだろう、このままあの暗いところに吸い込まれてしまうのでは、という不安感、恐怖感が頭の中を支配し始める・・・。
ちょっと、やばっ、こっ、怖い・・。マジで怖い・・・。
そう思った瞬間、体は完全に固まってしまいました・・。
呼吸は乱れ、息は上がってしまい、もはやまともに泳ぐことができません。しかも、もがけばもがくほど息が辛くなるし、集団はどんどん遠くなってしまうし・・、気持ちは焦るものの、体の方がビビってしまい、体が動かない。
情けないことに、クロールどころか、泳ぎ方を完全に忘れてしまいました、
あぁ、やっぱりだめだぁ、あきらめようか、本気で思い、漂うこと数分。ウェットスーツを着ているので、何もしなくても漂っていられるのがせめてもの救い。
うしろから、なにやら水面に浮かぶ青っぽい物体が近づいてきます。なんだろう、とよく見ると、頭だけ出して平泳ぎをしているおじさんでした。そして、ふわふわと漂う僕のすぐ脇を、おじさんの頭がゆっくり通過したとき、こちらを見て
おーい大丈夫か、19000円も払ってるんだからがんばろうよ~
と声をかけてくれました。
この声でようやく我に返ります。あかん。あせってビビってクロールやろうとしてもがくのをあきらめ、平泳ぎ+背泳ぎでなんとかついていくことにしました。
既に自分の周りには監視員の方とゆっくり平泳ぎで泳いでいるおじさんのほかはほとんどいません。
僕の方は、下手な平泳ぎと休憩を兼ねた背泳ぎでゆるゆると漂っている状況。あまりに危なっかしいのでしょう、監視員がマンツーマン状態で付き添ってくれます。
大丈夫、落ち着いて!あ~、曲がってますよ~。今日はねぇ、クロールの泳ぎ方を忘れちゃった人、ほら、あそこにもう一人にいるでしょ、だから大丈夫ですよ!
など励まされます。
そんなやり取りをしながら、どうにかこうにか最初の折り返しに到着。そして、折り返しを過ぎて100mぐらい進んだ頃でしょうか、しばらく進んだあたりで不思議と波がほとんどない状態になりました(もともとほとんど波はありませんでした)。
さあ、プールと同じ状態になりましたよ、このあたりからクロールで泳いでみませんか、ブイを目標に行ってみましょうよ!
ずっと僕に付き添っている監視員の方に励まされます。なんともいえない不安、恐怖感がぬぐえないものの、がんばって泳ごう!と、この期に及んでようやく腹をくくります。
まずは、50mでしょうか100mでしょうか、一定間隔で設置しているブイを目標にクロールで泳ぎ、ブイ周辺についたな、と思ったらヘッドアップというか、平泳ぎで次のブイを探して泳ぎます。、
最初は怖くて顔が上がり気味だったのですが、ブイを目標に泳ぐことを繰り返すうちに、がっちがちでビビりっぱなしだった体と気持ちがちょっとづつ落ち着いてきます。
監視員の方が、すかさず、
あれ~、いい泳ぎじゃないですか、まっすぐ進んでいますよ、そう、その調子で次のブイを目指しましょう!
と励ましてくれます。
さあ、このブイでターンしたらあとはゴールまでまっすぐですよ!ほら、見えますか、白い建物のところに黄色い横断幕が張ってあるの。あれがゴールです。
ここからは先はまっすぐです!
ここからゴールまでは早かった気がします。気がつけば底も見えてきました。そして、ふっと顔をあげるとゴールラインが目の前に・・。
がんばれ~、足が底につくなら上がっていいぞ~
声をかけてくれる人がはっきり見えます。よかった、ようやく戻ってこられたんだと実感。ようやく上陸できました。
まともに泳いだのはブイの位置から考えるとだいたい後半の1/3ぐらいでしょうか。やれやれ、前半2/3は平泳ぎと背泳ぎで漂い続けてました。ビビリスイムで相当にタイムロスしましたが、制限タイムにはどうやら間に合ったようです。
さて、陸に上がると、平泳ぎ、背泳ぎで余計な体力を使い果たして既にヘトヘトな上、水からあがると目が回ったようにふらふらしてまっすぐ歩くことができません。
しかし、大会はまだ始まったばかり。バイクパート、ランパートが残っています。
もちろん、この時点でほとんどビリに近い状態です。ラックに残っているバイクはほとんどありません。
ふらふら、よたよたしながらもなんとか着替えを終えて、バイクスタートです。
バイクはほとんど山岳コース?というくらい起伏に富んだコースでした。バイクスタートしてすぐに九十九折の登り区間があり、練習不足の僕には極めてキツイコース。もっとも、ほとんどビリ状態なので、逆に開き直って冷静に走ることができました。
ランのことを忘れ、周りの早い選手にペースを惑わされ、無理してついていった挙句にランで自滅という最悪の状況を考えて、ペースを上げすぎず、心拍155~160位でキープすることに集中し、マイペースで周回します。
そして、ちょうど3週目?の周回を終わろうとしていた時だったと思いますが、バイクコースとランコースが並走している区間でゴールに向けて爆走中のピエルさん発見!バイクから声援を送ります!
ぴえるさんゴール!のアナウンスを聞きつつ、僕はバイクからランへのトランジットを終えて、いよいよランスタートです。
以前、デュアスロンに出たとき、バイクからランのトランジットの際、両足が同時に痙攣して靴が履けない、という事態に陥ったことがありました。
今回はバイクで無理しなかったこともあり、そんなことはありませんでした。とはいうものの、足は相当疲労していて、何かの拍子に一気に痙攣しそうな感じです。
最初はゆっくりと足をならすように走り始めます。このペースならなんとかいけるかな、と思っていたのは最初の2キロまででした。そこから先は、ちょっとさぁ、これってトレイルランでしょ、といわんばかりの坂道の連続でした。弱った足に容赦ない坂の連続。 この坂道区間では、さすがに歩いている選手が多い。
ランはラン。俺は絶対歩かないゾ!
なんだか妙なこだわり、というか半分やけっぱちみたいな気持ちになって、坂道区間も歩かず遅くてもいいから走ろう!というそれだけを心に誓い、半分つりかけた足を引きずりながらよたよたと歩き(いえいえ、走り)、ゴールを目指します。
途中、バイクコースを交差する区間があり、仮設の橋が設置されているのですが、これが太鼓橋のごとく急なカマボコ型の橋となっています。この橋を登りかけた時、ついに恐れていた事態。痙攣です。いてててて・・・。
カマボコ橋を越えたところでテレビカメラがこちらを向いて構えています。僕はつりかけた足のため、ロボットのようにぎこちない動きしかできません。おっ、お願い、恥ずかしいからこんなの撮らないでくれ~。
恥ずかしさと痛さのカマボコ橋を越えると、登りは歩き、下りから平坦は走っている選手に追いつきます。この選手とは、それからゴール近くまでずっと一緒に走ることになります。
さて、痙攣発生後は、再び痙攣させないよう、だましだまし走ります。なんとか8キロの折り返しまでたどり着くも、足を止めたら一気に痙攣しそう。足を止めずにエイドのバナナをかじり、スポーツドリンクを飲み、よたよたふらふらと来た道をただひたすらにもくもくと帰ります。そしてその間も、さきほど追いついた選手とは、登り区間では私が前を走り、下りでは先行される、という壮絶なるウォーキングバトルを繰り返しつつ、ようやくゴール手前2キロのエイドまで戻ってきました。
この選手、ここまである意味僕の精神的な支えになっていたのですが、最後のエイドでは、ほぼ同時にスタートすることになりました。
最後ぐらいがんばろうと思って、少しペースを上げ気味にエイドを出ます。
すると、ぴたっと後ろにつかれた気配を感じます。ひたひたとついてくる足音・・。
先ほどまでとは違う展開。
あぁ、やっぱりきたか!
既に多くの選手がゴールしている大会も終盤、緊張感から安堵感に変わり、ゴールに帰ってくる選手もまばらとなって、なんとなくまどろんだ雰囲気のゴール前。最後にちょっと盛り上げるためにもここは頑張りどころ。
こりゃ、なんとしても負けられません。
あいつにゃ負けられん、きっと彼もそう思っているのでしょう。
そして、この日初めて見せた最初で最後の気合!!
最後の2キロ、ひざが落ちないように気をつけて、気合と根性の心拍Maxでゴールまで駆け抜けました。
どなたか存じ上げないのですが、最後はスパート勝負みたいになってしまいましたが、ランの区間ではずっと心の支えとなっていただき本当にありがとうございました!!
ゴール前では、あまりに遅いお父さんを息子とピエルさん一家が出迎えてくれます。
「パパァ、遅いよ~、けどがんばったねっ、あっちがゴールだからがんばって!」
「ねぇねぇ、終わったらボートに乗ろうよ!」
「ねぇねぇ、僕ねぇ、すごい大きな魚いるの見たんだよ、鯉のエサあそこで買ってよ」
と、元気をもらいます。そして、一緒に手をつないでゴール!